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第11話

子宮が疼く。 決して望んではいけないこと。 それは嫌なくらい分かってる。 でも、両性に産まれてきたからこそ、彼との赤ちゃんが欲しい。 浅ましいと嫌われてもいい。 「・・・欲しい・・・の、頼人との赤ちゃんが・・・だめかな?」 「ユキ」 彼が驚いたかのように目を見開いた。 「学校を辞めることになっても構わないから」 彼の大きな掌が頬をそっと撫でてくれた。 「ユキと暮らして2か月あまり。こんなにも家庭的な子、お前が初めだ。料理に、家事に何にでも懸命でーー絶対、何があっても守り抜くって心に誓ったんだ。ユキの両親に一緒に、謝りに行こう。子育ては一人では出来ないから。勿論、俺の両親にも会って欲しい」 「頼人、じゃあ」 「あぁ、ユキの望み通りにするよ」 頼人の手が、後ろに回され、ゆっくりと服を脱がし始めた。 彼の指が触れる度、胸がドキドキと高鳴る。 幸せすぎて、死にそう‼やばいかも‼ 生まれたままの格好にされ、愛欲でヌルヌルに滑る蜜口に彼の灼熱の塊が挿ってきた。 「・・・頼人の、おっきいの・・・お腹に入ってくる・・・」 「ユキのナカ、すごく熱くて、気持ちいいよ」 頼人が腰をつかいだした。 クチュクチュという淫猥な音と共に、彼の荒い息遣いが部屋の天井に響きわたる。 「あぁ・・・ん‼激しいの、やだ‼」 奥を彼の雁首がグニュリ、グニュリとこねくりまわす。 あまりの気持ちよさに、彼の首にしがみつき、声が嗄れるまで泣かされた。 前も後ろも、グジャグシャになるまで存分に愛され、蜜口に、彼の精を一滴残らず全部注がれた。 ハロウィンの夜。 チョコよりももっと甘い、恋人と、蕩けるような、めくるめく時間を共に過ごした。 それから1年半後ーー。 僕は、頼人と何ら変わらない日常を送っていた。変わった事といえば、名字が鬼頭になったことと、かけがえのない大切な家族が増えたことくらいかな。 「ユキ‼」 いつも、バタバタと階段を掛け上がって帰ってくる彼。 「し~~い。やっと寝たところなんだから起こさないでよ」 「えぇ‼バイト終わって、全速力で走ってきたのに」 頼人がふて腐れながら、僕の腕の中でスヤスヤと眠る愛娘、咲良の顔を覗き込む。 ようやく7か月になったわが子を眺めるうち、デレデレの笑顔に変わっていった。 和泉ちゃんや、クラスメイトたちが、全校生徒に呼び掛けて嘆願書を作成し、学校に提出してくれたお陰で、なんとか退学を免れ、和泉ちゃんたちと一緒に卒業出来た。 勿論、彼女とは大親友のまま、変わらない付き合いをしている。 いつか、未央ちゃんに会いたいな。 同じ両性として、ママとして、聞きたいことが山のようにあるから。 咲良にも、いとこたちに引き合わせてあげたい。 「ユキ、ありがとうな。俺、すごく幸せだ」 「僕だって・・・ありがとう頼人」 「おう」 彼の目尻が下がり、にっこりと笑い掛けてくれた。 「一生大事にする。ユキも、咲良も」 愛の誓いと共に、頬っぺたに軽くキスをしてくれた。

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