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第36話

「歩、まだだよ」  口の中のものをコクンと飲み込むと、歩の額に口付けを落とす千花。  すぐにまた亮が律動し始めて達したばかりの歩の身体はそれまでより更に敏感になり、喘ぐ声が止まらなかった。 「あっ、あっ……はっ、あ、んっ……」  もう何が何だか分からなくなって、されるがまま快楽に溺れた。  段々と速くなる腰つきに繋がっている場所が蠢き、亮を離そうとしなかった。 「くっ……歩っ、そんな絞めんな……もうっ……」  亮の動きが深い場所を抉って、熱い液体を中に勢い良く吐き出した。  最後の一滴まで搾り取ろうと、歩の中がきゅうきゅうと締め付ける。  自分の中に亮の熱を感じて、味わった事のない幸福感に満ち溢れていた。 「歩……すげー気持ち良かった……」  歩の頭を撫でる亮の手はとても暖かくて心地よかった。 「うん、僕も……」  亮が軽いキスをくれて、中に留まっている自身をそっと抜いた。  溢れた白濁が後孔からドロリと流れていく。 「歩」  後ろから歩を支えていた幸雄が歩の髪にキスをする。 「ん……」  ずっと背中に幸雄の硬くなったモノが当たっているのに気が付いていた歩は少し腰を上げて幸雄が入って来やすい様に体勢を変えた。  幸雄が耳元で熱い息を吐いて、さっきまで亮が入っていた場所に今度は幸雄が入ってくる。 「あ……んっ」  中に吐き出された白濁がローション代わりになってすんなりと幸雄の熱が奥まで満たしていく。 「辛くないか?」 「ん……大丈夫、だよ。幸雄は?」  いつも誰よりも先に歩の身体を心配してくれる幸雄。  感情表現が下手で、あまり笑顔を見せない幸雄だけれど、本当は凄く優しくて笑った時の顔はいつもより少し幼く見えて可愛い事を歩は知っていた。

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