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第41話
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長く深い溺愛の一夜が明けて、四人でいつの間にか眠ってしまっていた。
ベッドだけでは全員で寝れなかったので、それぞれ歩の部屋の床でシーツ一枚だけを身体に被ってスヤスヤと眠っている。
歩は途中から記憶が飛んでしまっていた。ただ、気持ちが良かった事だけはハッキリと身体が覚えていた。
あんなにドロドロだった身体はいつの間にか綺麗に拭き取られ、歩だけがきちんとベッドの上で眠っていた。恐らく三人が後始末をちゃんとしてくれたのだろう。そして歩の身体を心配してベッドに寝かせてくれたのだ。
ベッドの上で上体を起こすと身体のあちこちがギシギシと痛かった。日頃、そんなに運動もしなければ滅多にあんなポーズを取らないであろう格好も昨夜はしたのだから無理もない。
その痛みさえ愛おしく思える。
三つ並んだ寝顔を見て、この選択が正しかったのかどうか振り返る。
間違っていると批難する人もきっといるだろう。誰か一人だけを選ぶべきだと。けれど、歩にも譲れないものがある。それがこの三人だ。
満足そうな表情で眠る三人の恋人達を見つめて歩は自分の選択は間違いじゃなかったと実感した。
昨日よりももっと、三人を大切に感じるから。
「……愛で溺れそうだ……」
窓から射し込む光が眠る三人に降り注いでキラキラと綺麗だった。
「亮、幸雄、千花。大好きだよ」
そしてこれからもずっと。
「愛してるよ」
愛で溢れる四人で居たい。
「――ああ……愛でいっぱいだ」
ずっと、四人一緒に――。
~終わり~
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