13 / 13
第14話
義兄様は僕の妊娠に気づいていない。
これでいいんだ。
義兄様にはしあわせになってほしいから。
そう思って何日もすぎた頃
奥の方でドタバタと音が聞こえた。
微かに紅緒の声が聞こえる。
「お待ちくださいっ!勝手にこちらにきてはいけません!」
「うるさいですね、こちらにいるんでしょう?」
女性の声が聞こえた。
突然襖が開く。
「…あなたが…。」
「…誰ですか?」
「わたくしは、真人様の許嫁でございます。」
その言葉に酷く心が痛んだ。
ともだちにシェアしよう!