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第一章・仇為す者に死を。(3)
アマデウスが青年の後頭部を引き寄せ、口づける。すると火が付いたかのように青年の肉棒は雄々しさを取り戻した。
激しい抽挿が再び始まった。
自分たちの動きに合わせてベッドがリズミカルに軋みを上げる。
『それでもまだ足りない』
アマデウスは体位を変えて青年と向き合うと、二人は我先にと肉塊を貪り合う。
しなやかな細い足を絡ませ、背に腕を回す。今や青年の精を受け続ける腹部は丸みを帯び、孕んでいる。
それでもアマデウスはまだ足りなかった。
今度は上にいた男を押し倒して自分の優位な騎乗位になり、自らの腰を動かして律動を繰り返す。自分の下になっている青年はアマデウスに向けて精を放ち続け、既に意識はない。白目を向け、口から唾液を垂らして失神している。それでもアマデウスはもっとさらにと彼から精液を搾り取る。腰を上下に動かし、執拗に精液を貪り尽くす。
アマデウスの艶めいた短い声が繰り返し吐き出される。
しかしどんなに精を受けようとも、彼の食欲は結果として同じ。やはり満たされる気配がない。
それもその筈、忌々しいことに、つい先ほど出会ったあのヴァンパイアの姿がアマデウスの瞼の裏に焼き付いて消えないのだ。
研ぎ澄まされたブルームーンの目に強情そうな鷲鼻。引き結ばれた大きくて薄い唇。
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