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第14話
オヤジにもしかしたら俺もついていくかも、って伝えて。いろんな手続きもあるし、結論を出すタイムリミットが今日だった。
文川は無言で見つめてる。
俺は顔を背けたままで、痛いくらいの視線を感じていた。
「………てめぇ、俺が悩んだ一週間返せ」
しばらくしてようやく文川がため息混じりに低く呟いた。
「ご、ごめん。……ていうか……悩んだんだ?」
その事実が嬉しくて勝手に頬が緩んだ。
すかさず文川が頬を力任せに抓ってくる。
「ってぇ!! まじでイテぇんだけど!!」
「ウルセー、ボケ」
「教師のくせに口悪すぎだろ……」
「黙れ」
口を塞がれ、舌を噛まれた。
「……ッ、だからイテェってば!」
「罰だ」
「な、なんだよそれ」
「あとで家、電話しておけよ? 今日は友達んちに泊るってな?」
「……え」
「明日は土曜だしな? さっき言ったとおりヤりまくるからな」
「……え」
「そんな嬉しそうな顔すんな。ちゃーんとお仕置きの分もプラスしてやるから」
ニヤリと笑う文川に背筋に悪寒が走る。
俺別になにも……と、思ったけど、正直身体が持つか心配ではあったけど―――。
文川に顔を近づけ口を塞いで、舌に噛みついた。
「お手柔らかに」
そう言って笑うと、文川も―――俺が初めて見る笑みを浮かべた。
「精々、ヨガれよ?」
そして今度こそ首筋に文川が顔を埋めて、
俺たちはまた欲と熱に溺れていった。
on A gamble - END.
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