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もういない君
他にも、雛口のプリントだけ回収しなかったり、俺が給食当番の時あからさまに雛口のだけ量を減らしたり、描いた絵を馬鹿にしたり。
他にも、たくさんした。
今思えば、好きな子と話したくて、
でも他の子とは明らかに違う感情を抱いている相手にどんな風に接していいかわからなくて。
でも話してほしくて、相手にしてほしくて、
俺の名前呼んでほしくて、俺のこと見てほしくてしたことなのかもしれない。
自分の私利私欲のために、雛口を苦しめた。
そしてそれは、俺の最低な行為は、必然的に雛口を追い詰めていて。
小学生1年生の2学期始まり。
「雛口葉月くんはお家事情で転校しました。」
雛口は、いなくなった。
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