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「……始まったじゃねーか」 「……ひょえー」 「……うわぁ」 ぶちゅぶちゅキスしながら、体をまさぐり合い、主にそれぞれの股間に掌を集中させている男三人。 停止のタイミングを完全に見失った男子三人は「とりあえず見てみようか」的ムードで何となく押し黙った。 実際、映像は修正がちゃんと入っていた。 それでも童貞男子三人には刺激が強い。 挿入シーンに突入すれば尚更……。 「うわ、ぱんぱん言ってんだけど!」 「うるせーよ、加賀見……」 「女みたいな声で喘いでる」 男子三人は最早釘付け状態だ。 その内、加賀見がとんでもないことを言い始めた。 「誰かに似てると思ったら、この人、笠原に似てる!」 画面上でペニスにむしゃぶりつきながらペニスを尻に突っ込まれてあんあん喘いでいる男に似ていると言われ、笠原は、真っ赤になって激昂した。 「ふざけんな! 似てねぇよ!」 「いーや、似てる! ちょっと目つき悪いとことか髪型とか!!」 「…………消してやる!!」 「あ、やめて! いいとこなのにぃ!」 「あ、ちょっと、グラス倒れる……」 リモコンを奪い合う加賀見と笠原、二人の取っ組み合いから麦茶の注がれたグラスを遠ざけようとした紙屋。 その結果。 「あーどうしよ! チンコたっちゃった!」 「ちょ……押しつけんなッ……気持ちいい……ッ」 「うわ、笠原の尻が当たる……」 下半身を押しつけ合って息を乱すことに。 見事に引っ繰り返されたグラスから零れた麦茶がラグへ染み込んでいく。 「もうだめ! おれだめ! あんな風に笠原にチンコいれたい!」 「この……っバカが! 誰がお前なんかにいれさせるか! 俺がお前にいれてやる!!」 「あ、笠原……」 --五分後-- 「あ! あ! 笠原のチンコいぃぃぃい!!」 「は! はぁ! 加賀見ぃ……!!」 冷たくなったラグの上で笠原が加賀見相手にバックで童貞卒業を果たしていた。

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