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日曜日の昼時、変更後の約束通り紙屋のお宅に笠原はやってきた。 「ごはん食べてきた?」 「ん」 「じゃあ見よっか」 「え、暗くすんの? まさかホラー系かよっ?」 厚手の遮光カーテンを閉めただけで軽く怖がった笠原に紙屋は首を左右に振ってみせた。 「まさか。笠原、怖いのムリだし」 「お前のことだからイヤガラセでホラー見せる可能性あるし」 「なにそれ。俺、別にドSじゃないし」 飲み物のペットボトルとおやつを用意して、ディスクをセットし、ソファで愛用のクッションを抱いていた笠原の隣に紙屋は腰かけた。 それから五分後。 「これ……ッお前どーいうつもりだよ、紙屋……ッ?」 「どーいうつもりもなにも。これが笠原と一緒に見たかった作品だけど」 「これッッあれだろッッAVだろッッ」 「うん。ゲイビ」 「当たり前みてーに略すな!!」 アニメ映画鑑賞が延期になったのは残念だったが、どんな話なんだろうと内心ワクワクしていた笠原、当然怒った。 しかもただのゲイビならまだしも。 「コイツ……ッ加賀見が持ってきたヤツに出てた……ッ」 見覚えのあるキャストの登場に笠原の怒りは倍増しになる。 自分に似ていると言われた男優だった。 前回は大学生風だったが、今回は学園モノで制服着用、目つきの悪い不良風ときていた。 「帰るッッッ」 腹が立って立ち上がりかけた笠原を紙屋はすかさず引き留めた。 「もうちょっと見てみようよ、笠原」

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