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Ⅰ 俺の部屋に競パン野郎がやって来た!!⑤

「因みに、この家のチョコはないぞ」 「なんで?」 映画のおつまみにチョコを置いといた筈だ。 「俺達が美味しく頂いたぞ」 「俺の!」 「最後の二粒は橋本に食べさせてあげただろ」 「おあいこな、京太」 全然おあいこじゃないー! そうだ。せめてっ 「映画!」 ラストだけでも見よう。 「映画?……ニュースだろ」 「テレビも付けっぱなしだったから、消しといてやったぞ」 「あの……映画は?」 「ニュースが付いてたぞ、橋本」 後番組だ。 映画……とっくに終わってる。 うぅ~。チョコ食べられて、映画も見損ねた~ 「なんで起こしてくれ…なッ」 にまにま~ にやにや~ ピンチの真っ最中だったーッ! エロス全開の満開の笑顔でにじり寄ってくる競パン野郎共 「チョコないぞっ」 お前達が食べたんだろ。 「あるよ、京太」 「二粒な、橋本」 チョコが二粒残ってる? そして、競パン野郎共が目を輝かしている座標は俺 まさかっ! パパパッ 両胸を手で覆った。 うぅ~。こんな格好、女の子みたいで嫌だー! 「あ。チョコ乳首、消えた」 やっぱり狙いは俺の乳首だったか!競パン野郎! 「チョコ乳首出せ!京太」 「嫌だ!」 「チョコ乳首は俺達のものだ!」 「俺達のチョコ乳首だ!」 「俺のチョコ乳首だァァーッ!」 うぅぅ~、なにがチョコ乳首だァッ チョコレート色の乳首ってだけでも、そこはかとなく物悲しいのに。 どうして、俺の乳首が競パン野郎共の物にならなけりゃいけないんだァァーッ! 「手をどけろ、橋本!」 「嫌です!」 ……ん? なんで、俺。乳首、直接触ってるんだ? 服はっ?服はどうした? 「裸だーッ」 「橋本の上着は俺達が脱がせたぞ」 「なんでっ」 「ハロウィンだからだ」 えっへん。……って、胸張るな。 偉い事してないぞ。 ……もしや。 上半身裸という事は……まさかっ 「京太、すごく似合ってる♪」 縣、満面の笑顔♠ はかされてる! 脳裏で警鐘が鳴った。 競パン野郎の、競パン野郎による、競パン野郎のためのハロウィン! はいてるんだ。 競パン…… 俺も競パン野郎の仲間入りだァァァーッ! 「なんじゃこりゃァァーッ!!」

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