12 / 17
Ⅳ 大切な気持ち①
もう鯉のぼりだってなんだっていいさ。
今夜はハロウィン🎃仮装だよ。
俺、鯉のぼりの仮装
魔女に狼男に吸血鬼
鯉のぼり
うぅっ、浮いてる~
でもね!外国人さんにはモテモテだったんだよ。
さっきもアメージングって喜ばれちゃった♪
だけど……
競パン'sが来ない。
巻かれちゃったみたい。
この人混みだ。
俺、本当に花嫁になったらどうしよう。
もう二度と戻って会えなくなるのかなぁ
『どうした?妃』
『浮かない顔をしているな』
「俺、あの二人に会いたいです」
二人が大好きだから。
だから……
ごめんなさい、の言葉はプリンス二人の人差し指に遮られた。
唇の上、しっと指先が置かれている。
『今夜だけ我らの花嫁になってくれないか』
『一目惚れではない。我ら海底人は心を結ぶのだ。お前の心根の優しさに我らは惚れているがゆえに、お前を大切にしたい』
チュッ……って、両頬っぺたに同時にキスされた。
『諦める訳ではないが、強引な事はしない』
『時間をかけて説き伏せるからな』
彼らは永く時を生きる種族
『お前が生まれ変わる日を待つ時間など短い』
『愛しているぞ、妃』
「生まれ変わったって、京太は渡さないよ」
「橋本を大切に思うのは俺達も同じだ
」
この声
まさか!
「「俺達は、真実の愛を持つ競パン's!!」」
ともだちにシェアしよう!