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第26話 晴人編
食事も、宿題を済ませ、お風呂にも入った。俺は逸る気持ちを抑えつつ待って待って。
コンコン。
「あいている。入ってこい」
「失礼します。宿題終わりましたか?」
しっとりとした京が入ってきた。執事服ではなく、普段着の京。
なんだかドキドキする。
「晴人様お茶とお菓子持ってまいりました。ご一緒してもいいですか?」
「あ、ああ」
ぎこちなくないかな俺。
京は珍しく少しだけ長い髪を結っていて、都に似ている。姉弟だなぁと思う瞬間だった。
でも、なんだか色気というか、そういうのが違くて、都はどちらかというと元気なお姉さんチックなとこがあって、頼もしかったけれど、京はしっとりとした、まるで、ミルクを注いだココアのような……。とにかく甘い感じがする。
「どちらでいただきますか?」
「夜だし、ベッドにいくか!」
俺らしく俺らしく。ニカっと笑って誘うと二人でベッドに座って些細な出来事から、笑い話までいろんな話をした。
話題が途切れてじーっと見つめていると、京が近づいてきた。なんだろうと身構えていると顎を持たれてキスをされた。そしてそのまま押し倒されたのだった。
「え!? ちょっとま――んん、ちゅる、ふ、ふぁれるれる……んふっ!」
悦に浸るかのように、俺はうっとりとしていた。
絡み合う舌が気持ちよくて思わず身を預けていると、俺のパジャマを丁寧に一つ一つボタンを外していく京。手慣れてる……。どこで覚えたんだ?
少し嫉妬している自分にびっくりした。誰かと一緒に寝たのだろうか? 俺はそんな不安を抱えてしまった。恋人、いるのかな? って。そんな事を考えてるのを見透かされたように囁かれた。
「恋人なんていませんよ。晴人様さえ本気ならこれ以上のことだってして差し上げますよ?」
心臓がドクンと跳ねた。これ以上の事……。ぶっちゃけしたい。だって京に興味があるし、京の啼く顔が見たいと思った。
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