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星流SIDE 4

「ど~した?」 秋になった。 段々とセンター試験と受験が近付いてきた。 受験勉強の為生徒会の仕事は極端に減らされているので、勉強への負担と支障は殆どない。 が、最近斑鳩が以前より甘えたになった。 気が付くといつもベッタリ背中にくっついているし、何処にでも着いてくるし、必ず近くに居る。 なんか滅茶苦茶可愛い。 生徒会で僕・翠葵・三輪は同学年だが、斑鳩は1つ下だ。 3月になると直ぐ、一気に皆卒業しちゃうから寂しいらしい。 あ~確かに斑鳩の目線から見たら寂しいな。 でもこればっかりはどうしようもない。 しょぼんってしてる斑鳩を少しでも元気付ける為ヨシヨシ頭を撫でたら、スリスリ手のひらに甘えてきた。 「置いてかれるのヤダ。一緒に卒業する」 …………うん。無理だね。 2年生でそれしちゃうと中退だからね? 「寂しいだろうけど、あと1年頑張って?」 「ヤダ。飛び級する」 ん? 「今から勉強して星流と同じ大学行く」 うん。ちょっと落ち着こうか。 「休みの日は遊んであげるし、寂しい時は逢いに来てあげるからさ、我慢して?」 「毎日?」 …………うっ。 「毎日じゃなきゃヤダ」 「星流が居ないと嫌だ。一緒が良い」 あ~もう、泣いちゃったよ。 「うん、分かった。斑鳩が寂しくない様に毎日顔見にくるから頑張って?で、1年後同じ大学においで?」 「行く。星流と同じ学校。星流好き」 嗚呼、今日もわんこが可愛い。 ぎゅうぎゅう抱き着く斑鳩を全力で甘やかしてたら 「星流甘やかし過ぎ」 翠葵が苦笑した。 その後訪れたクリスマス・お正月。 いつもなら全力で楽しむのだが、流石に今回は余り楽しめなかった。 食事だけは先輩の家で豪華にして貰ったが、それ以外の時間は殆ど勉強。 嘆くと、来年今年の分も含めて楽しめば良いよ。言われたが、なんか腑に落ちなかった。 でも拗ねたら初詣だけは連れて行って貰えたから良しとしよう。 受験は本命一本に絞った。 落ちたらそのまま専業主婦決定って追い込んだ方がより頑張れるでしょ?母考案だ。 先輩と協力して頑張ったから大丈夫だと思うが、頑張ってるのは自分だけではない。 受験生は皆同じだ。 ちょっとしたケアレスミスで落ちる可能性もある。 気合い入れて試験会場に向かった。 どうにか微妙な所も適当に全て埋めたが、不安しかない。 終了後に悔やんでもどうする事も出来ない。 なるようになれ、諦める様に試験会場を後にした。 中学の時も思ったけれど、何故合格発表って卒業式の後にあるんだろう。 進路が決定してないのに卒業って、不安しか感じない。 が、日程を変える事なんて出来ない。 不満はあるが顔に出さず 「最後になりましたが、本日迄学校生活を支えて下さった全ての方々に改めて御礼申し上げると共に〇△高校の更なる発展を願って、答辞の言葉とさせていただきます。 201〇年3月1日 卒業生代表 北原星流」 答辞を読み上げた。 会長の仕事の引き継ぎは終わらせた。 これが本当に最後の仕事だ。 物凄く大変だったが、やり甲斐のある仕事だったと思う。 勉強と仕事の両立、翠葵は部活もあったからもっと大変だったろうなぁ。 それから数日後、僕は先輩と同じ大学に、翠葵は医療系の学部のある大学に無事合格した。 因みに三輪は第3希望の大学に合格。 一番行きたかった大学に行けず少し落ち込んでいた。

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