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星流SIDE 9

ズキリ痛む胸。 だがこれが現実。 叶わない恋など願っても無駄なんだ。 分かってるけれど消えない想い。 多分この気持ちは一生消えず、いつまでも残り続けるだろう。 「ごめんなさい」 もう一度口にすると 「なら今すぐ此処でキスして?」 命令され、唇を合わした。 「続き、しないの?」 うん、君がそういう性格なの分かってたよ。 マイペースだよね、斑鳩。 なんとも微妙な重苦しい空気を読みもせず、続きを促す。 唯でさえ緊張で達せれなかったのに、今ので完全に縮こまってしまった。 これ以上触っても中途半端にしか反応しないだろう。 「続きは斑鳩で教えてあげる」 自分で反応しないならやり方を変えるしかない。 斑鳩のパンツに手を掛けた。 軽く下着をずらしただけで、ブルンッ元気に飛び出してきた斑鳩の物。 本当に見るだけで大きくなるんだ。 そっと指先で触れた。 「最初は軽く優しく握って上下に擦る。気持ち良くなってきたら好きな所を好きな様に触って?」 「ひゃぁ、ぁぅ、っぅん」 って、違う。 そうじゃない。何僕のを触ってるんだよ。 ふにゃふにゃになってたのが少し元気になってしまった。 好きな所を好きな様にって、自分のだよバカ。 「星流は俺のだよ。あんまり勝手に触ると、いくらわんこでも許さないけれど、それでも良い?」 ギロリ睨まれ萎縮する斑鳩。 手を引っ込めた。 「どう?」 「ん、気持ち良い。星流上手」 徐々に早めていく手の動き。 時折握る力を強めたり弱めたりしながら、もう片方の手で先端やその窪み・カリ首に優しく刺激を与える。 増えてきた溢れ出る液体の量。 ソロソロかな? 少し強めに擦り上げると 「っん、んんん」 斑鳩は僕の手の中で液体を放った。 顔や手首や腕に飛び散った熱い飛沫。 (勿体ない) ペロリ味わう様舐め取った。 (ん、美味し。やっぱりこの味好き) 拭き取らず、舌を使いながら綺麗にしていく。 口内に広がる斑鳩の味に満たされる。 全部舐め取ると物足りなさを感じた。 「もっとする?」 聞かれ誘われる様に動く身体。 達したばかりなのに既に臨戦状態になっている立派な物に顔を近付けた。 あ~ん。口を開いて食べようとした時だった。 「星流、ダメだよ?」 先輩に止められた。 「何で止めるの?廣瀬さん。俺もっと星流に触って欲しい」 「それだけじゃ終わらないだろ?わんこは。このまま続けたら絶対最後迄する。そうだよな?」 「うん。したい。星流とするの好き。星流好き。可愛い。大好き」 「わんこが星流を大好きなのは知ってる。だけど、星流は俺の婚約者だ。誰にも渡す事は出来ない。だからそろそろ諦めろ」 先輩に言われながら段々目に見えてしょげていく斑鳩。 可哀想だけど先輩の言う事は正論だ。 斑鳩は大好きだけれど、僕的には可愛いわんこなんだよね。 いつも犬耳と尻尾見えるし。 完全に気を許してくれているのか、全力で甘えてくる。 だから僕も全力で甘やかしてしまう。 幸せそうな顔が超絶可愛くてキュンキュンするし、一生手放したくないって思っているのだが、斑鳩への好きは恋愛感情とはなんか違う気がするんだ。 キスもエッチも斑鳩とならいかがわしい気持ちにならない。 ハグや甘やかしの延長線みたいな感じ。 まぁ、気持ち良過ぎて狂っちゃうけれどね。 何されても可愛いって思うし、許しちゃう。 完全に親バカな飼い主状態だ。 「星流じゃなきゃヤダもん」 「あのなぁ、そんなにしょげられても、ダメなもんはダメなんだよ。それにもし俺と星流が正式に番になったらな、わんこ星流にエッチな事一切出来なくなるんだぞ。分かってる?」 「…………っ、ヤダ。……嫌…だ」 綺麗な斑鳩の瞳からポロポロ零れる雫。 「星流が良い。星流じゃなきゃヤダ。星流以外要らない」 ギュッ、胸が締め付けられて 「ごめんね、斑鳩。ごめん」 応えられない気持ちに謝った。 翌日いつも通りに集まった勉強会。 「昨日はごめん」 再び翠葵に謝られ、泣きそうになった。 「あれ?なんか斑鳩今日調子良いね。スッキリした顔してる」 眠たげな表情は何も変わらないが、肌ツヤが良い? 「うん。早速教えて貰った通り自分でしてみた。星流にされるのと比べたら全然違うけれど、それなりに良かった」 うん。一人で出来る様になったのか。 成長嬉しいよ。 「なぁ、俺はする時毎回星流を思ってなんだが、芹生君とわんこも一緒?」 うん。さり気に先輩こういう会話好きだよね? 無言だが、真っ赤な顔で頷く翠葵。 (わ、翠葵僕で抜いてくれてるんだ。なんだろう。スッゴイ嬉しい) 「俺も一緒。星流とした次の日貰ったDVDの映像見ながらいつもしてる」 …………………………ん? 貰ったDVD? 何だソレ。 有り得ない位盛大に汚してしまった部屋。 お詫びに翌日駅前で大人気のケーキを購入して改めて謝罪に行った。 そういえばその時何かを貰った。 どうせお菓子か何かだろう。 そう思い、確認もせずに貰った紙袋ごとそのまま斑鳩にあげた。 「ねぇ斑鳩。そのDVDってまさか」 「うん。あの日の映像が部屋に入ってから出る迄全部見れるよ。記念に欲しがる人もいるからサービスの一環で欲しい人には無料提供してるんだって」 あの黒歴史が映像に残ってるのかぁ??? なんて事だ、今すぐにでも抹消して欲しい。 「へぇ~。そんな凄い物持ってるんだ、わんこは。良いなぁ、俺も見ていい?」 ちょっ、先輩声が顔が怖いです。 滅茶苦茶怒ってますよね?今。 「ん、いっぱいダビングしていつも持ち歩いてる」 バ、バカ、斑鳩。 何手渡してんの。 で、何先輩は手にしてんだよ。 「見るか」 リモコンを手にする先輩。 マジか。 嗚呼、死んだ。 「やぁ、ぁ、ぁああ、ぁあああっ、んぁあ」 「あっ、ん、ぅぁ、斑鳩。斑鳩ぁっ」 「ダメ。気持ち良い。斑鳩、もっと、もっとして?」 TVの僕黙って下さい。 あ~、滅茶苦茶感じてんじゃん自分。 語尾ハートマーク付いてそうな位甘いし、声も全体的に高くて甘ったるい。 完全に蕩けきった表情で甘えながら何度も斑鳩を求めている。 「全部入れて良い?」 あっ、そんな台詞あったんだ。 突然されたと思ってたけれど、一応聞いてくれてたのか。 うっわっ、ヤバい。 入口が有り得ない位大きな物を飲み込んでギチギチに広がってる。 ちょっと痛々しい。 ココから記憶曖昧なんだよね。 気持ち良過ぎて狂った。 アレは完全に中毒になりそうな位獰猛な快楽だった。 思い出しただけでイッちゃいそう。 真っ赤な顔でモジモジしていると、突然消された映像。 「なぁわんこ。これ全部入れてないか?」 ヤバい、先輩目が据わっている。 コレ本気で怒ってる。 なのに斑鳩は気付いてないのか 「うん。全部入れた。スッゴイ奥迄入って、星流キュウキュウ締め付けてくれて物凄く幸せだった」 素直に答える。 バカ、空気読め。 「この行為の意味分かるか?」 あっ、ヤバい。 「ノッティング。この前教えたよな?これは番のみが許される、孕ませる為の行為だ」 そうだ、あの日僕は斑鳩と翠葵と一緒に先輩から習った。 一応念の為避妊薬を飲んだから妊娠はしてない筈だが、もし飲んでなかったら確実に妊娠していた。 「流石にこれはアウトだよ星流、わんこ」 殺意の篭った冷たい目線を僕達に向けると 「先輩、待って」 そのまま先輩は部屋から消えた。

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