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第33話

 むしろ追いかけられたりしがみつかれると冷めてしまって、すぐに別れることになってしまう。だからお互い割り切った関係で納得できる相手だけとつき合って来た。 「リカルドは狩りを楽しみたい人だから、俺みたいにふらふらしてると気になるけど、手に入れて鳥籠に入れてしまえば世話を忘れる。…違う?」 「…鳥籠から勝手に出て行きそうな君の世話を忘れるなんてことはないと思うよ」  苦笑とともに本音を漏らす。 「そもそも大人しくそこに入っている気も、お世話される気もないくせに」  声を出さずに口元だけで笑うと、加賀美はちゅっと口づける。  そのまま腕を回して、濃厚なキスを仕掛けてくる。  堕ちてくる気もないくせに、そういうことだけはするんだな。 「もう一度抱きたい」  ストレートに口に出してみれば「いいよ」とあっさりうなずく。 「10分で終わってくれるなら」 「ダメ。もったいないよ。そんな時間じゃ君を味わえない」  リカルドは駄々っ子のように嫌々と首を振って加賀美の顔を下から覗きこむ。 「だから僕とつき合って」  加賀美は苦笑して、それからかるく首を傾げた。  いたずらを思いついた子供みたいな無邪気な笑顔になって、軽い口調で告げる。 「まあいいけど。じゃあ覚悟して」 「どんな覚悟?」 「俺は結構、手がかかるよ」 「望むところだね。僕は意外にも手のかかる性悪な子が好きらしい」  ふわりと微笑んだリカルドは、加賀美の手を取って羽のようなキスをする。そのまま顔を上げると、一瞬で不敵な笑みに変化した。  互いの気持ちを量りあうように視線が交錯し、加賀美がふっと口元を緩めてリカルドに抱きついた。  …さあ、ゲームの始まりだ。     完  最後までお付き合いいただきありがとうございます!  感想など頂けると嬉しいです\(^_^)(^_^)/

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