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自分で聞いておきながら、答えが知りたくないような…。 もやもやした気分のまま逃げるように仮眠を取って。 それでも起きるとすぐにスマホを見てしまう。気になるものは気になるのだ。 結論から言うと、 『会って、直接伝えたい』 とのこと。予想外の簡潔さに、思わず首を傾げた。 無口、というほどでもなかった気がするのに。 それとも前のメールはかなり頑張って送ってくれたのだろうか。 (どっちにしても不思議な人だなぁ…) 相変わらず綺麗ではあるが、ふとした瞬間に見せる仕草は可愛いと言えるもので。 人は往々にしてきっと、そういう部分に惹かれる。 3月も半ばに差し掛かり、桜が咲き始めた。窓の外をちらりと見やって、少し離れた場所の愛犬を呼ぶ。 「散歩に行こう、付き合ってくれるか?」 どうも気になってしまって、このままではレポートなど手につかない。春休みが終わるまであと1週間。 「……帰ってきたらちゃんとやるよ」 咎めるような視線を寄越すふわふわした頭を撫でて小さく言い聞かせる。 わん!と返事をしてくれたから、伝わったということにしておこう。

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