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「楓くん、そろそろ出るけど準備できた?」 「あ、はい!大丈夫です」 声を掛けられ時計を見ると、いつもより早い時間。仕込みの準備かと首を傾げる。 「今日は歩いて行こうか」 車を停めている駐車場を通り過ぎた頃、するりと右手を絡め取られる。驚いて隣を見やれば、彼の左手に座す指輪が光った。 「お店、少し早く閉めようと思うんだけど」 「えっ…どうしてですか?」 「ちょうど2年前だったね」 噛み合わない会話に小さく唸る。2年前?2月―――? 「…あ!」 「思い出した?」 それは、一番初めの記憶。あのコンビニで。 色々な想いを経てなお、鮮やかに蘇る記憶。 「夜ご飯、頑張りますね」 「ふふ、楽しみだな」 出逢って2年目の記念日には。いつもより豪華な食事と、とっておきのワイン。綻ぶ彼の顔を想像すれば腕が鳴る。 そのためにもまずはしっかり仕事をしよう。今日も、こうして隣に居られること。一緒に働けること。全てに感謝しながら。 晄さん越しに見上げる空は、突き抜けるような青色だった。 To be continue...

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