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ふわふわ、くらくら
「っひぁ、ん……っ、ぁあ゙、やだっ、は、うっン、ひ、膝が……っ」
「……うん?」
大丈夫?って声をかけて、後孔から指を引き抜いたその時だった。
テツヤさんの腕が急にするりと解けて、がくん、と落ちる。
「──っ!」
バランスを崩したんだと理解する前に、彼の腕と背中をなんとか捕らえ、力の抜けた身体を支えて。
抱きしめるように庇ったおかげで、勢いよく身体を打ちつけることは免れた。
部屋のカーペットの上に、ずるずるとゆっくり尻もちをついた彼は、自分でも驚いたような顔をしている。
「腰抜けちゃった? そんなにいっぱいいっぱいだったなんて知らなかったから、ごめんね。どこも打ってない?」
「……っ、悪い、大丈夫だ……」
「良かった」
彼の背中を掬い上げるような格好をとったから、今は俺のほうが屈んだ中途半端な体勢だ。
必然的に顔の距離が近くて、首筋から鎖骨にかけて、うっすらと汗をかいているのが見える。
緊張と興奮を垣間見た気がして、たまらなく可愛いと思う。
俺は微笑んで、もう一度唇にキスをした。
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