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奉仕
「テツヤさん、すごい、ガチガチ……」
「あっ、やぁっ、前、触ったら、出る……っ」
「うん、いっぱい出して。テツヤさんのイき顔、見たい」
「ぁっ、んァ、ぁあっ、だめ、やだ、やだっ、ひぁ──……!」
耳の裏から無防備な項、肩甲骨と背筋が綺麗に浮き出る背中に幾度となく口付けながら、自身を思いきり扱く。
ただの睦言のつもりで『俺の、このディルドよりちょっと大きいんだ』って台詞を言ったら、そこでテツヤさんが射精した。
「……ッぁ、は……ひ、ん」
「……イっちゃったね。すごいえっちな顔してた」
「……」
欲を放ったことにより芯をなくしていく自身は、ぷるぷる震えながら少しずつ萎れていく。
ベッドに散った白色が行為の残滓を証明して、生々しさを助長している。
テツヤさんは荒い呼吸を唾を飲み込むことで抑えて、しばらくうつ向いていた。
顔、見られたくないんだ、可愛い。
「……恥ずかしくないよ。見て。俺のなんて、テツヤさん眺めてただけで、すごい可哀想な状態になっちゃってる」
ふは、と笑いながら寛げた前を見せたら、まだ余韻の残った、焦点の定まらない虚ろな視線と目が合って。
おもむろに、彼が胡座をかいた俺の股間に跪き、顔を埋める。
さすがにその行動には驚いたけど、オイシイ思いもしたくて、戸惑いつつも相手の好きにさせてみることにした。
「……舐めて、くれるの?」
「……はじめてだから、下手かも、知んねぇけど……」
「……いい、の? すごく嬉しい」
目を細めて微笑んで、彼の短い髪を撫でれば、はち切れんばかりの俺のを手で支え、濡れた唇で先っぽをゆっくりと銜える。
頬に赤みが差したように見えたのは、気のせい?
何にしろたまらなく嬉しくて、高揚して、テツヤさんから分泌された先走りや白濁に濡れた自分の手を舐めたら、それを見ていた彼が視線を外し、気まずそうに頭を上下させ始めた。
もうその絵面だけでも興奮して、やばい。
けれど、職業柄、俺は遅漏体質だ。
案の定彼の下手くそなフェラではイけなかったので、最後は一緒に手でしてもらって達した。
カメラ君がちゃっかり俺の射精時も記録していたけど、徐々に昇りつめていく俺を見ながら、息を荒くするテツヤさんが可愛かったから、嫌な気分は相殺された。
イった直後の、余韻に浸る精液の味と匂いのするキスが、こんなにも気持ちいいと思ったことはない。
挿入にはいたらなかったものの、俺は満足感でいっぱいだった。
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