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五反田さんから始まったキスラッシュから2週間が過ぎた。
相変わらず支店長や二間さんとの残業は息が詰まるし、帰りをどちらと帰るか?なんて問いは毎日のようにあるわけで…
だけどなんとか躱している。
この前の二人での話の内容は、俺のことだったのか仕事のことだったのか…それはわからない。
五反田さんも窓口に来るなり俺になんやかんや口説き文句を放って行くが、それを躱す方法も見つけ、上手いことあしらっている。
三好は大型犬の如く隙あらば俺に抱きつくというワザを発見したらしく、ニコニコ笑顔で飛び付いてくるのだが、まぁそれぐらいいいか…と抱きついてきた三好をヨシヨシと撫でてやってるというか…
ほんと、こいつに至ってはペットだよ…笑
『宅配便です!!!』
昼下がりの客足の落ち着いた店舗内に元気な声が響く。
健太郎?じゃない?
『ハンコお願いします!!』
『あれ?今日は四谷さんお休みですか?』
『あっ!!四谷さん怪我されて入院してるんです!!』
『入院!?』
『はい。昨日宅配のトラックに車が突っ込んで…そんなに大きな怪我じゃないんですけど、検査も兼ねて入院ってことで…』
『どこの病院ですか!?』
『えっと…』
気付くと俺は健太郎の情報を根掘り葉掘り聞き出していて、明日は休みということもあって見舞いに行くことにした。
15時になって窓口も閉まったこともあり、俺は裏の倉庫の片付けをしていた。
『鈴木さーん!!』
『うおっ!!』
ガバッと俺の後ろから抱きついてきた三好を剥がし、体勢を整える。
『お前危ねぇだろ?』
『すみません…一人でいる鈴木さんになんだか興奮しちゃって…』
『あのな…って、今日はもう終わり?』
『そうなんですよ!!予定してたアポが全部早まっちゃって…今日は定時で帰れそうです!!』
『おぉ〜いいなぁ。俺は今日もきっと残業…』
『そうですか…ってか、この前約束してた飲みなんですけど、俺から言っといてこっちの都合でダメになっちゃったんで…明日休みだし今日どうですか?』
『だから残業だって…』
『いいんですよ!!俺待ちますから!!ってか、コンビニとかのになりますけど、酒とかツマミ持って鈴木さんち行ってもいいですか!?』
『えっ!?まぁ…いいけど…ってか、何時になるかわかんねぇよ?』
『じゃぁ一度家に帰りますんで、終わったら電話ください!!』
『わかった。』
そう言うと、ニコニコしながら三好は事務所の中へと入って行った。
急に決まった宅飲みに部屋は片付いていたかなぁ?なんて考えながらもなんだか楽しみで、俺は事務所に戻って机に山積みの書類に手をつけた。
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