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第46話
「だぁー!乾杯ー!!」
「カンパーイ…っ、て、テンション高いですね、千奈美さん。」
飲む前からもう酔っているような千奈美さん。
でも、良かった。元気になったみたいだ。
「とりあえず飲も飲も!スミマセーン!ツクネ5本くださーい!」
「はいよー」
奥から大きな声で返事が返ってくる。
「ところで真琴くんさぁ、最近どうなの?例の番さんとは。」
千奈美さんが俺にコソッと問いかけてくる。
どうって言われてもなぁ。
まぁ、前に泣きながら浮気に関しての相談したから気にかけてくれているんだろう。
ちゃんと千奈美さんには報告しといた方がいいかも知れない。
「えと、なんか大丈夫みたいです。最近は結構充実してるし、前より連絡もいっぱい貰えるし…。
何よりも今度は2人で遊園地行くんです!最近、彼、機嫌が良いみたいで俺といる時は前より楽しそうにしてくれるんです。なんか幸せ過ぎて夢見てるのかと思うくらいです…。」
「へぇ…。よかったじゃん!やっぱり愛し合ってたら同性でも中々上手くいくもんだねー…。」
また少し悲しげな顔をする千奈美さん。
本当に今日はどうしたんだろう。
「あ、そういえば千奈美さんの相談ってなんですか?」
今日はこの為に飲みに連れてこられたんだから、早速、核心を突く。
「あー…。えーっとね。私、好きな子いるんだ。でも、叶わない恋だと思ってたから、諦めてたの。」
へぇ。
千奈美さんに好きな人がいる事すら初耳だった。ましてや片想いなんて。
それに、こんなに可愛くて頼りがいのある女の人が片想いする人ってどんな人なんだろう、と少し興味も湧いた。
「どんな人なんですか?」
「うん、実はね…。」
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