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第16話

「違うっ!!!」 今まで聞いたことのないような声で、真咲が叫んだ。 「はぁ…。痴話喧嘩なら外でやってくれん?俺もそろそろ萎えたわ。 それと、あんた、真咲さんやっけ?さっさと番解消してくれへん?俺の番取っといて泣かすとか本間ありえへんで。」 真剣に話す鮫島は何故かかっこよく見えた。鮫島の番ではないが、『俺の番』なんて、そんなかっこよく真咲は人前で言ってくれたことは無かった。 そして、それとは逆に、真咲が怖かった。 「いい加減にしろよ…。俺は真琴と番は死んでも解消しない!こい、真琴!」 「あっ、真咲まって、薬…っ」 グイッと真咲に腕を掴まれ、鮫島の部屋を出ていく。 やばい、薬を結局飲めてない。何をしでかすかわからない。 ―――――― ―――― 「ちょっ、やめろって、真咲っ!」 チュ、チュゥッ…チゥッ。 「んんっ、あっ!そこやめ、て…っ」 ベッドに押し倒されるなり、真咲に鎖骨や胸、腕や足。ありとあらゆる所にキスマークが付けられる。そんな見えるところ…やめて欲しいのに。 「嘘つき。本当は気持ちいいんだろ?嬉しいんだろ?ねぇ、真琴。いまヒートサイクル来てるでしょ?ははっ!気持ちいいことしたいだろ?なら、俺のこと好きって言って?俺と離れないって、愛してるって。言ってよ、真琴。」

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