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第15話

『俺の真琴に何してんの。』 怒りに満ちた真咲の声。 俺が悪いことをした訳じゃない。だけど、怒りの矛先は、俺にもきっと向いていた。 「何してるって、見たらわかるやろ?さっさと出てってくれん?番なんか知らんけど邪魔やねん、あんた。」 ケラケラ笑いながら話してると思ったら、最後の方は真剣に話す鮫島。 やめてくれ、これ以上、真咲に誤解させないでくれ。 「まさ、き…、俺はっ!「真琴は俺を裏切ってないだろ?」」 一瞬、息が止まった。 俺は…、真咲が好きだ。 でも、そんな目をした真咲も、俺にばかり理想を押し付ける真咲も俺は好きじゃない。 なぁ、なんで、俺をそんな狂った目で見るんだ。まるで焦点があってない。どうして?俺のせい? 真咲は散々、俺に対してやってきたことなのに? 「…真咲は、どうして怒ってるの?俺がこいつに押し倒されたから?ヤられそうになったから?」 今になって、何故か今まで散々浮気されたことに腹が立ってきた。 多分、真咲が怒ってる理由はきっと違う。ホントは前からわかってた。 ただ、真咲は… 『真咲はさ、本当は所有物を横取りされるのが嫌なだけなんだろ?』 俺の存在なんて、真咲にとってはきっと『所有物』程度だったんだ。

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