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チョコプレートには“Happy Birthday”とホワイトチョコで描かれている。
俺はそれを千秋さんのケーキの上に乗せる。
「ここのケーキ美味しいですよね」
俺はフォークを千秋さんに手渡す。
「ほんとにありがとう。嬉しい」
千秋さんがフォークを持っている俺の手ごと両手で包むように優しく握る。
俺を真っ直ぐ見つめる千秋さんに、俺は視線をそらすことができずじっと千秋さんを見つめる。
「シチューも美味しかったし、ケーキもわざわざ俺のために買ってきてくれて……本当に嬉しい」
「千秋さんに喜んでもらえて嬉しいです」
俺は喜んでもらえたことが嬉しくて、千秋さんの手をギュッと握り返す。
「俺も千秋さんの誕生日を祝うことができて嬉しいです」
「……碧」
千秋さんの手が離れ、俺を抱きしめる。
千秋さんは細いように見えて意外に筋肉質で、微かに香るシトラスの匂いが鼻を掠める。
千秋さんに抱きしめられると、何故かもう何もできなくなってしまう。
何か魔法でも使っているのだろうか……。
俺は千秋さんの背中に腕を回す。
「ありがとう、碧。誕生日に碧に祝ってもらえたこと一生忘れない」
俺の耳元に直に感じる千秋さんの吐息。
こんなにも千秋さんの全てを身体中で感じられるのが、凄く凄く───
「幸せだな」
「俺も」
千秋さんは抱きしめていた腕を離し、俺を真っ直ぐ見つめる。
徐々に千秋さんの整っている顔が近づき───俺はゆっくりと眼を瞑る。
千秋さんの柔らかい唇が俺の唇とゆっくり重なり合う。
俺の唇を食むように口付ける千秋さんのキスは気持ちよくて──俺はそれに応えるのに必死だ。
どのくらいの時間、唇を重ね合わせていたのか、名残惜しそうに離れる千秋さん。俺は息切れしつつ千秋さんを見つめる。
「碧その顔反則」
千秋さんの獰猛な瞳が俺を射抜く。
そのまま手を引かれてベットへと連れて行かれる。
今日の夜は凄く長い夜になりそうだ──。
でもそんな甘い夜を千秋さんと過ごせるなんて幸せだな……。
俺はベットに優しく押し倒されながら、千秋さんの顔を見つめる
「千秋さん大好き」
千秋さんの首に腕を回した。
千秋誕生日SS
おわり
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