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第9話
僕の断りも無視して彼が隣に来て腕を掴む
「痛いですよ…」
「じゃあ大人しくついてきて」
急なタメ口にドキリと心臓が跳ねた…あぁ…ダメなのに…
「課長具合悪そうなので医務室へ運びますね」
他の社員たちに声を掛ける
「初日なのに悪いな。頼む」
「はい」
ほぼ強制的に秋月に担がれ医務室に運ばれる。
少し固めのベッドに無理矢理横にさせられる
「課長。無理はダメですよ」
僕の頭をさらりと撫でる…その行為に胸が締め付けられる…リドルがよくしてくれていたことだったから…
「課長…?」
さっきまで頭を撫でていた大きな手が頬に触れる
「泣いてる…」
「すいません…何でもないです…」
「…課長…」
「っ…」
一瞬の出来事だった。秋月の熱い唇が僕のそれに触れていた
「んなっ…秋月…お前…」
「すいません!!つい…可愛くて…」
「何で…何で忘れてんだよ…」
こんなの八つ当たりだ…わかってる…
「え?」
「…ごめん…一人にして」
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