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第13話
漆黒の瞳が僕を捕らえる。
これが悪魔の力…
目が離せない…非常に強力な吸引力…
「夏。本当のこと教えて?あのワンちゃんのこと待てるの?」
「…」
言葉すらも出ない…
「夏…俺と契約しよう?」
「…今日はミカは仕事でここには来れない。だから今日は誰も邪魔するものはいないんだ…ね?夏…俺のになりなよ…」
悪魔の囁きが僕の心をざわつかせる…
このままアミーに身を委ねた方が楽になれる…
「俺のになりな?もう頑張らなくて良くなるよ?…俺以外のこと何も考えられなくなっちゃう…夏…ほら…おいで…俺のになって…ね?」
唇が触れそうなくらいの距離まで詰め寄られる。
「このまま口付ければ楽になるよ…夏…さぁ…」
あぁ… もう…頑張りたくない…リドルが他の誰かと結ばれ幸せになる姿なんて見たくない…
リドルが誰か他の人に笑いかけるなんて耐えられない…
もう…いいよね?…もう…
僕…沢山…頑張ったよね?…
もう…いい…楽になりたい…
そっと目を閉じた…
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