14 / 15
第14話
「待てよ!!」
「ちっ…」
目を閉じ意識が朦朧としている僕は誰が来たのか…誰の声なのかもうわからなくて…
もう…何も…聞こえない…考えたくない…もう…どうでもいい…
「っ!夏!!夏!!しっかりして!!」
「…」
「夏!!こっちを見て!!悪魔なんかに絆されないで!!夏!!」
「…」
誰?…なの?
その時柔らかい何かが唇に触れる…
そこから冷えきった体がじんわりと暖かくなる…
何度も何度も繰り返されるそれにゆっくりと目を開けた
「夏!!」
抱き締めてくれる暖かい腕…落ち着く香り…懐かしい…
「…リドル…」
「夏!!」
「リドル…違う…誰?…」
「課長!俺です!秋月です!…」
「秋月…?何で?」
「ごめんなさい!!忘れちゃっててごめんなさい!ご主人様…会いたかった…ずっとずっと…会いたかった…」
夢でも見ているのかもしれない…何て都合のいい夢なんだろう…
夢ならどうか…覚めないで…このまま…ずっと…
「夏!!」
「…」
「俺を見てよ!ご主人様…」
暖かい何かが頬に落ちてくる…
「…泣かないで…秋月…ごめん…心配かけて…大丈夫…大丈夫だから…」
ともだちにシェアしよう!