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 結局今日も直倫の家に泊まりになった裕也は、風呂で一人虚しく処理をしてしっかりと準備されていた部屋着に着替えて髪を拭いながらリビングに戻った。  片付けの終わった直倫はソファに座って本を読んでいた。 「直倫、風呂もらったぞ」 「ああ、はい」  直倫は本を読むことに集中していて生返事だった。少しだけそれにイラついて裕也は直倫の後ろに回って何を読んでいるのか盗み見た。  文字ばかりで小説のようだった。 「何読んでんの?小説?野球の専門書?」 「え?ああ…小説です」  そして直倫がページを(めく)ると挿絵が出てきた。その絵の少年は見覚えがあった。 「お前……」 「最初、この少年が生クリームを塗りたくられて…っていうシーンもあったんですけど、俺が甘いもの食べないから裕也さんにお菓子を食べさせました。中々面白くてハロウィンの参考になりました」  直倫は裕也に爽やかな笑顔を向けるが、裕也の顔は険しかった。 「こんなのハロウィンじゃねえええええええええ!」  裕也は少しだけハロウィンが怖くなった、高2のハロウィンであった。 【完】

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