32 / 67

グータラなキミと。☆7

******** それでも、時は無情に流れていく。 幸いにも、仕事が忙しくなり、 自らすすんで残業を引き受け、 考える時間を作らないように していたからか 陽向の事ばかり考える事は 少なくなってきていた。 もうすぐ1ヶ月。 『どうしよう・・・・。』 俺は悩んでいた。 陽向のスマホをどうするか。 陽向には、 俺が買って、俺が月々の支払いをしてたから 俺のモンだ・・・なんて言ったけど やっぱり勝手に解約は出来ない・・・よなぁ。 とりあえず、とうに電池の切れたスマホを 充電する事にした。 *************** 『うわっ!なんだ こりゃ・・・・』 フル充電したスマホを見ると メッセージが鬼のようにきていた。 陽向・・・、スマホ無くて 困ってなかったかな・・・ なんて、 取り上げた事を後悔するほどの数。 トップ画面に表示してある最後の メッセージに目をやると、 そこには。 「ヒナ、今どこにいんの? 彼氏と別れたって聞いたけど!? ヒナ、すっげー頑張ってたのに残念!」 すっげー頑張ってた? ・・・何を? 胸がざわざわする。 『陽向、ごめん・・・!』 勝手に人のスマホを見るのはマナー違反だ。 でも、気になる。どうしても。 俺は、メッセージをタップして、 アプリを起動する。 メッセージは、陽向が出て行ってから 1週間くらいまでの時期に 集中して来ていた。 下から上へ読んで行くと、その1週間を 遡っていくことになる。 「ヒナ、連絡して!心配だよ~! 例の大好きな彼氏と何かあったの?」 ・・・大好きな? まさか、俺じゃ・・・ないよな? でも、この時期つきあってたのは・・・ いや、他にもいたのかも・・・。 「ヒナ、スマホ壊れたとか? 既読つかんけど木曜、大丈夫??」 木曜? 誰かと約束してたのか・・・。 スマホ無かったけど・・・会えたのかな? 「ヒナ、約束の料理、教えるのって 木曜の夜は どう?」 ・・・料理? 陽向が? 「ヒナが料理したいって笑える! でも、一緒に暮らしてる 彼氏のためだもんね!協力するよ! 日にちは、また知らせるね!」 一緒に暮らしてるって・・・ やっぱり、俺? ・・・・俺の・・・ため? 陽向が・・・? 俺の知らないところで陽向が 何をしてたのか・・・ 浮気とか悪い事ばかりを想像してたのに 俺のために・・・料理? 思いもしなかった事実に、 俺は混乱していた。

ともだちにシェアしよう!