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グータラなキミと☆18
陽向を連れて、家まで帰ってきた。
1ヶ月前は、自分の家でもあったのに、
陽向はおずおずと遠慮がちに入ってくる。
ここはまだ陽向の居場所なんだ、って
教えたくて・・・
片付けたくても 片付けられなくて
そのままにしていた陽向の部屋に
引っ張っていく。
『え・・・・』
陽向は驚いて俺を見る。
そして、俺たちは、お互いの想いを
伝えあった。
『また、一緒に暮らしてくれる?』
俺の問いに
『俺、変わってない・・・よ?』
と、答える陽向。
シン君に言われたって言う「寄生」には、笑ってしまったけど・・・。
そんなのは全然OKだ。
側にいてくれるなら。
『俺、頑張るから。』
『ん・・・?』
『今度は、直紀に捨てられないように
頑張る!店も辞めて・・・』
『ちょっと、ストーップ!!』
『え?なに?』
『店は辞めなくていいから。』
『え?なんで?』
『陽向は、あの店で働くのが合ってると
思う。俺のために辞めなくていいよ。』
もう、俺のために無理しなくていい。
『でも・・・直紀はイヤなんじゃ・・・』
『誘惑が多いから、本音を言うと
イヤだけどね。
陽向が浮気しないように俺も頑張るよ。』
『直紀・・・・。』
『俺と暮らしてくれる?』
改めて、聞くと
『うん・・うん・・・・っ。』
陽向が何度も頷く。
『ありがとう。』
ぽろぽろと溢れ出した涙を、
指で優しく拭う。
そして、ありったけの想いを込めて
おでこに そっと キスを落とした。
『おかえり、陽向。』
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