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第19話 『雌しべ』が無くても

「で、それで?」 「ん?それでって……。なんですか、坊っちゃん」 「いや、だから学校の『無理です』の理由」 そう俺が聞くとミクの顔が赤くなった。 「……どうしても話さなきゃいけないですか?」 「イケナイよ。なんでミクはクラスメイトに『セックスの仕方、俺に教わってこい』なんて言われてたわけ?」 俺はミクを膝の上に乗せて聞いた。 「それに『無理』ってなに?」 ミクは俺の膝の上で体操座りをして小さくなった。 それを俺は後ろから抱き締めた。 「今日六年生になったからと、先生がHRで性についての話をしてくれて。……女子の『雌しべ』に男子の『雄しべ』を挿入して、気持ち良くなったら、『雄しべ』から種が出てきて十月十日(とつきとおか)すると『赤ちゃん』ができるって話をしてました。本当なのか坊っちゃんに教えてもらえって言われて……」 なるほど、だから俺にセックスの仕方を教わってこいなんて言われたのか。

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