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♥第1話
ある日、両親が夜逃げした。
「メンゴ♥ちょっと夜逃げするから~テヘペロ☆。一応、瑠璃のことはちゃんと相手に伝えといたから‼あとは頑張って。」
と、テーブルに置き手紙があった。
「…え?…」
意味がわからない。最近仕事嫌だ~とかなんとか言ってたけどまさか夜逃げするとは。
「…仕事先も知らないし。どうしよう。」
とりあえず、落ち着こう。
そういえば手紙に‘’相手に伝えといたから‘’と書いてあったけど誰だろう?
ピーンポーン
「あっ、はーい。」
ガチャ
目の前には数人のゴツいスーツ姿の男の人が立っていた。
「えっと…どちら様ですか?」
すると、男の人の中で眼鏡をかけてスラッとした人が出てきた。
「わたくし、有野と申します。
瑠璃様を東雲家へご案内させてもらいます。
では、こちらへ。」
返事を返す時間もなく、ひょいと男の人たちに
車に乗せられてしまった。
かれこれ、数時間は経っただろうか。
「もうすぐ着きますよ。」
外を見れば、少し森に入っただろうか。
そして車が止まり、車から降りるとまるでホテルのような洋館が建っていた。
『いらっしゃいませ、瑠璃様。』
出迎えたのは数人のメイドと執事だった。
執事にコートを脱がされ、メイドに身だしなみを整えられそのまま真っ直ぐ奥の部屋に向かった。
コンコン ガチャ
「ただいまお連れしました。」
「あぁ…ありがとう。」
そこにはとても綺麗な男の人が椅子に座っていた。
「あの、はじめまして!僕、五月雨 瑠璃と言います。」
「フフ。そんなかしこまらなくても良いよ。
はじめまして、瑠璃。」
「なんで、僕の名前を知っているんですか?」
「君の両親から瑠璃を任されているからさ。」
「!?貴方が…。」
「おっと、自己紹介をわすれていたね。
僕は東雲 透。君の保護者だよ。」
「…ということは、僕は貴方の養子であるという訳ですね。」
「そうだよ。」
「わかりました。こちらこそよろしくお願いいたします。」
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