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♥第2話

僕は今、ふかふかのベッドで横になっている。 「…まだ6時だ。」 キィィー… 誰だろう。こんな時間に。 「おや、おはようございます。」 そこには、若々しいふわっとした女の人が立っていた。 「申し遅れました。わたくし高木 香織と申します。瑠璃様のお世話をさせてもらいます。」 「こちらこそよろしくお願いします。」 「お目覚めにハーブティーはいかがですか? すっきりしますよ。」 「じゃあお願いします。」 綺麗なかっぷに薄オレンジ色のハーブティーがはいる。 「わぁ、美味しいです。」 「いえ、喜んでもらえてなによりです。」 高木さんに用意された服は肩だしのニットワンピースだった。 「とてもお似合いです。」 「…。」 そして、リビングに向かった。 少し大きめのテーブルには温かい料理が置いてあり既に透さんは席についていた。 「おはよう、瑠璃。よく似合っているね。」 とても爽やかな笑顔でこちらに顔を向けた。 「おはようございます。」 僕も席についた。 執事もメイドも皆揃って食事をするらしく、料理の数は多かった。 ちなみに僕の右隣には透さん、目の前には有野さん、そして左隣には高木さんが座っていた。 「昨日はよく眠れた?」 食事をしながら透さんは僕に聞いてきた。 「はい。とてもふかふかで心地よかったです。」 「そう。それはよかった。」 「ごちそうさまでした。」 「瑠璃、今日は明後日から行く学校の試験があるんだけど。」 「え!どうしよう、僕、勉強してないのに。」 「大丈夫ですよ。そんなに難しくはないはずです。」 「有野さん…。」 僕にそんな頭はありません。 「とりあえず、受けに行こっか。」 渡された荷物は小さなかばん。 中身をみると筆箱と新しいスマホが入っていた。 「えっ…これだけ?勉強道具が筆箱だけって…。」 「大丈夫ですよ。ほらこちらです。」 透さんが心配だ、と車で送ってもらい、高木さんが試験会場までついてきてくれることになった。 『こんにちは。貴方が東雲君だよね。』 声をかけてきたのは綺麗な男の人?だった。 「あぁ、僕は生徒会会長の綾小路 麗花。」 「綾小路さん…。」 「試験会場まで案内するよ。」 高木さんとはここで別れて僕は綾小路さんについていった。

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