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♥第18話
今日は眠っているつもりだった。
しかし、やはり眠れない。
どうしようかと考えているとき
バァン!
「あら、こんなところにいたんですね?」
綺麗な女性が入ってきた。
「この子が、透さんの…?ありえない。」
「…あの、誰ですか?」
「私を知らないの?三井 真弓美よ。
透さんの許嫁。」
この人が、透さんの…。
「透さんに近づいたらただじゃおかないから。」
女性は勝ち誇ったように部屋から出ていった。
「…やっぱり、無理なんだ。僕には。」
バァン!
「ハァッ…ハァッ……瑠璃。さっき、誰か来なかったか?」
透さんが汗をかいて僕の部屋に来た。
「…いいえ、誰も。」
「嘘。…体、起き上がれないんでしょ?」
「ッ!…なんで…」
「申し訳ございません、しかし、この事は透様と話し合うべきだと…。」
高木さんは、少し目をふせて言った。
「…どうして、何もいってくれないんだ。」
「ッ!それはこっちのセリフです‼綾小路先輩に教えてもらいました。透さん、許嫁がいるんですね。なのに…。」
僕は、涙が溢れて止まらなくなった。
「どぉして!?…どぉして!…僕はいったい何なの?」
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