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夏。7月に差し掛かると、照りつける日差しが辛い時期だ。
それでも陽の沈んだこの時間は、昼間よりは幾分か過ごしやすくて。涼しくなると、ここ最近で起こった事を思い出してしまう。
短期のアルバイトで煌びやかな世界の人達と知り合ったこと。そのうちの1人―――ルイさんが、俺の友達をいたく気に入っていること。世話の焼ける2人のために奔走したこと。
………そして。
「お、悪いな。待ったか?」
目の前で眉を下げながら笑う彼、ハルさんと仲良くなったこと。
「いえ、来たばかりですから。気にしないでください」
首を振って笑い返す。良かった、と目を細めるハルさんに向かいの席を勧めてメニューを渡す。
「そんじゃあ、お疲れさん」
「お疲れ様です」
グラスを合わせる音が小さく響いた。
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