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17.
自分のことはどうでもいい、とまではいかないが。今はかかずらっていられない。どうやら芹生くんが大変なようだ。
目の前にあるミルクティーを啜って、時計に視線を送る。そろそろだろうか。
「……ハル、さん」
最初に会った時と変わらず綺麗な彼が、そこに立っていた。路頭に迷うような姿に苦笑を漏らして、手招く。
「取りあえず、おいで」
落ちつくように、と注文した鎮静作用のあるレモンバームのハーブティーが功を奏したのか。ほっとひと息ついた芹生くん。先程よりも顔色が良くなったのを見て安心する。
「…いつもすいません」
軽く頭を下げた彼に首を振って、小皿に乗るチョコレートを勧めた。
「甘い物は心を穏やかにしてくれるから」
素直に銀紙を剥がす様子を眺めていると、ついこの間の夜を思い出してしまって。一度、目を閉じて払拭する。
「それで、俺に聞いて欲しい事って?」
頬杖をついて合わせる目線。剥がし終わったチョコレートを摘んだまま、言葉を探しあぐねている様子で。
ぽつりぽつりと漏らされる内容は、なんともまあドラマのような世界だった。
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