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「…そんなことだろうと思ったよ」 呟いて枝豆を手にした。重ねるのは、自分。 「まぁ…近くに居たら諦められないっていうのは、分かる」 明後日を眺めて独りごちれば、無視できない視線が突き刺さった。問うようなそれに、淡く笑って。 「…ん?あぁ、セフレなんだわ。…細田と」 「え……細田、くんって…」 目を白黒させるルイも、会ったことがあるはずだ。切れ長の瞳に端正な顔立ち。 「……ルイはさ、芹生くんと付き合いたい?」 混乱のさなかにいる彼を見据えた。ひどく真剣な声音に釣られたのか、しばし黙考した後にこくりと頷く。 「そりゃ…叶うなら」 「だったら諦めるな」 ほとんど間を開けずに放った言葉。どうしても他人事のように感じられなくて、力の籠るそれを受けた彼は。思わずといった体で瞬いた。 「…俺にはもう、可能性がないからさ」 誤魔化すように口元を歪めて笑う。 今は何も聞いて欲しくない。物言いたげな様子のルイは、やがて静かに残りのビールを流し込んだ。

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