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第1話

「トキ、おはよう。今日も来たよ」 「ルーク!おはよう!」 暖簾を潜って、手を振りながら店の中に入ってきた外国人。スラリとして高い身長。キラキラとした金髪に、海を思わせるようなキレイなブルーの瞳。そして男らしくかっこいい声に、美しい立ち居ふるまい。 開店準備をしていた朱鷺(とき)は、目をハートにしてその外国人に駆け寄る。 ルークと呼ばれた外国人は、駆け寄ってきた朱鷺を嬉しそうに抱き締めた。 実際は余り身長差のない2人。しかし、ルークのガタイがいいお陰で、朱鷺の方が小柄に見える。だからこそ、男同士で抱き合っていても違和感は全くない。 そもそも、ルークも朱鷺も顔は整っている。女性からすればイケメンなのだ。 そのイケメン2人が、朝から熱い抱擁を交わしている。 当たり前だ。ルークと朱鷺は恋人同士なのだ。 「ルーク。いつも来てくれるのは嬉しいけど、仕事は大丈夫なのか?社長業は暇じゃないだろ?」 「大丈夫さ。僕には、出来る部下がいっぱいいるから。それに、僕が好きでここに来ているんだ。トキに会いたくてね」 「ルーク、」 「僕は、毎日でも愛しの恋人に会いたいんだよ」 甘いトロリとした声を耳元で囁かれて、朱鷺は顔を真っ赤にしてルークの首筋に顔を埋めた。 そんな可愛い反応を見せてくれる朱鷺を愛しそうにルークは見つめると、頭のつむじにそっとキスを落とした。

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