1 / 8
第1話
「トキ、おはよう。今日も来たよ」
「ルーク!おはよう!」
暖簾を潜って、手を振りながら店の中に入ってきた外国人。スラリとして高い身長。キラキラとした金髪に、海を思わせるようなキレイなブルーの瞳。そして男らしくかっこいい声に、美しい立ち居ふるまい。
開店準備をしていた朱鷺 は、目をハートにしてその外国人に駆け寄る。
ルークと呼ばれた外国人は、駆け寄ってきた朱鷺を嬉しそうに抱き締めた。
実際は余り身長差のない2人。しかし、ルークのガタイがいいお陰で、朱鷺の方が小柄に見える。だからこそ、男同士で抱き合っていても違和感は全くない。
そもそも、ルークも朱鷺も顔は整っている。女性からすればイケメンなのだ。
そのイケメン2人が、朝から熱い抱擁を交わしている。
当たり前だ。ルークと朱鷺は恋人同士なのだ。
「ルーク。いつも来てくれるのは嬉しいけど、仕事は大丈夫なのか?社長業は暇じゃないだろ?」
「大丈夫さ。僕には、出来る部下がいっぱいいるから。それに、僕が好きでここに来ているんだ。トキに会いたくてね」
「ルーク、」
「僕は、毎日でも愛しの恋人に会いたいんだよ」
甘いトロリとした声を耳元で囁かれて、朱鷺は顔を真っ赤にしてルークの首筋に顔を埋めた。
そんな可愛い反応を見せてくれる朱鷺を愛しそうにルークは見つめると、頭のつむじにそっとキスを落とした。
ともだちにシェアしよう!