4 / 9

第4話

「と、とにかく、俺はメスじゃないよ。」 「んー……わからないナッ!」 ニカッと笑ったロイは、それでもやっぱり発情期だから顔を上気させている。 「ウゥゥ……うぃる、もう1回……まだする」 「ぁ、んぅ!」 乳首を抓られて頬を舐められる。 この発情期が明日までに収まってくれたら有難いんだけどなぁ。 「ん、ぁ、はぁっ、はぁ……っ!」 「ウィル、ウィル……っ」 ああ可愛い狼だ。 キスをすると耳を下げて唇をぺろぺろと舐める。 「ロイ、いいよ。君の好きにして。」 そう言うとロイの目がギラついた。 そこからの記憶は余りない。 *** 結局、翌日までに発情期は収まらなくて、仕事を1日休んだ。 「ロイ、朝ご飯だよ。」 「アゥッ!」 すっかり懐いてしまって、今じゃ遠吠えもすることない。この狼は両親の元に帰る気があるのだろうか。 だから気になってそう聞くと、小さく首を傾げる。 「何でダ?もう、ウィルがいるから、いいんダ!」 「……あのね、ご両親も寂しがってると思うよ。」 「大丈夫、俺達は群れがあル!俺がその群れからはグれただけ!」 「そういう事じゃないんだけどなぁ。」 ご飯を食べ終わってすぐ、狼の姿に戻ったロイは、顔をかいてそのまま手を舐める。 「まあ……いいか。」 ロイがそれでいいなら、ここから追い出す理由は無い。 「なあ!ウィルはもう、番だろ!」 「あれ、また人型になった。」 「なあって!そうだろっ!?」 「……うーん、そうなのかなぁ?」 「そうダ!俺の番!ウィル、好きダ!」 俺の顔に頬をすり寄せたロイに、参ったなぁと苦笑を零す。 まあでも、この可愛い生き物を今は手放す気にはなれないから、このままでいいやと、ロイの頭をうりうりと撫でた。 可愛いワンコは狼だった!? END

ともだちにシェアしよう!