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第4話
「と、とにかく、俺はメスじゃないよ。」
「んー……わからないナッ!」
ニカッと笑ったロイは、それでもやっぱり発情期だから顔を上気させている。
「ウゥゥ……うぃる、もう1回……まだする」
「ぁ、んぅ!」
乳首を抓られて頬を舐められる。
この発情期が明日までに収まってくれたら有難いんだけどなぁ。
「ん、ぁ、はぁっ、はぁ……っ!」
「ウィル、ウィル……っ」
ああ可愛い狼だ。
キスをすると耳を下げて唇をぺろぺろと舐める。
「ロイ、いいよ。君の好きにして。」
そう言うとロイの目がギラついた。
そこからの記憶は余りない。
***
結局、翌日までに発情期は収まらなくて、仕事を1日休んだ。
「ロイ、朝ご飯だよ。」
「アゥッ!」
すっかり懐いてしまって、今じゃ遠吠えもすることない。この狼は両親の元に帰る気があるのだろうか。
だから気になってそう聞くと、小さく首を傾げる。
「何でダ?もう、ウィルがいるから、いいんダ!」
「……あのね、ご両親も寂しがってると思うよ。」
「大丈夫、俺達は群れがあル!俺がその群れからはグれただけ!」
「そういう事じゃないんだけどなぁ。」
ご飯を食べ終わってすぐ、狼の姿に戻ったロイは、顔をかいてそのまま手を舐める。
「まあ……いいか。」
ロイがそれでいいなら、ここから追い出す理由は無い。
「なあ!ウィルはもう、番だろ!」
「あれ、また人型になった。」
「なあって!そうだろっ!?」
「……うーん、そうなのかなぁ?」
「そうダ!俺の番!ウィル、好きダ!」
俺の顔に頬をすり寄せたロイに、参ったなぁと苦笑を零す。
まあでも、この可愛い生き物を今は手放す気にはなれないから、このままでいいやと、ロイの頭をうりうりと撫でた。
可愛いワンコは狼だった!?
END
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