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第4話

「雅実、古典の課題した?」 「う、うん」 「俺、すっかり忘れててさ。見せて」 「いいけど……、古典って1限じゃん!写す時間ないから、急がないと!雅人、先行くわ!」 「ほーい」 同じクラスの雅実と寺島は、バタバタと自分達のクラスへ向かった。 「……」 「……」 「……そこにいるのは分かってるよ、ももチャン」 「……バレてましたか」 靴箱の影からスーッと現れた、俺のカワイイ彼女。 「おはよう、雅人」 「おはよう、ももチャン」 「来て早々、寺島君にお兄ちゃん取られたね」 「うーむ…」 俺の横に並んで、可愛い顔をニヤリとさせたももチャン。 「こないだ、雅人が言ってたコトが気になって…。ここ1週間、雅実君を観察してたけど…。やっぱり私の感に間違いなかったわ…」 「……じゃあ……」 「ええ、間違いなく雅実君は、寺島君に……恋してる!」

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