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第62話

資料室での告白から、数週間。 今日も眩しすぎる日差しが、ジリジリ攻撃してくる。 「アレ、雅人?終業式なのに居残り?」 帰りのSHRが終わってしばらく。 窓際の席で外を眺めていると、担任の呼び出しから帰ってきたももチャンが声をかけてきた。 「ううん」 「じゃあ、雅実君待ち?」 カバンを抱えて、前の席に座るももチャン。 「ううん。今日、雅実、寺島と帰る」 そう言ってもう一度窓の外を見ると、帰宅生徒の集団がワラワラ。 その中に、大きな人物が二人。 俺につられて外に目を向けたももチャンも、二人に気づいたようだ。 「今日、剣道部お休みなんだ」 「うん」 「幸せそうだね、二人とも」 「うん!」 ももチャンが言うように、遠くからでも二人が幸せそうに話してるのが分かる。 「……不思議だね」 「ん?」 何がだい?ももチャン? 「最初に雅人から、雅実君のこと相談?されたときも、こんな風に二人を遠くから見てたじゃん」 「うん」 そうだ、そうだ。こんな感じだった! 「あの時は、まだ二人とも友達だったんだよね」 「うん」 そうなんだよ。 よく雅実の恋心に気付いたもんだよ、ももチャン。 「今も、(はた)から見たら友達同士にしか見えないけど…、今は恋人同士なったんだよね」 「うん」 そう、今や恋人同士の雅実と寺島。 それを知るのは、俺とももチャン、そして……。 「でも、これから大変かもしれないなー」 まだ、みんながみんな、雅実たちを祝福してくれる世の中じゃないから。 「でも、がいるじゃなーい」 ニヤリと笑うももチャンが目に入る。 「そうだねー」 ももチャン……、その笑みには色んな意味が含まれてそうだね。 空はすっかり、夏空。 今年も熱い日が続きそうです。 二人を祝福して下さる紳士淑女の皆さま。 この夏は紫外線対策はもちろんですが、人知れず激アツになりそうなご両人に、ご注意下さい。 Please go to "twin'PLUS"?

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