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【番外編】この可愛い子が、まさか
あいつが、約束通りクリスマスに合わせて来てくれた。べ、別に待ってたわけじゃないけどっ!
で、そのままこっちにいられるとか言うので、母さんに話したら大歓迎されてた。あれよあれよと言う間になんだかテーブルの上には豪華な食事が並んで、みんなで楽しく過ごせてたと思う。
腹いっぱい食ったあと部屋でごろごろしてたら、いつの間にか寝てしまっていた。久しぶりに感じる温もりに包まれて、なんだか幸せを噛み締めてしまった。
耳元で甘く囁く声が心地いい。…なんて、調子に乗るから絶対言ってやらないけど。
大きな手のひらが髪を撫でてくる。ゆっくりと意識をそこに向けて、朝日の中に輝く笑顔を瞳に映した。
「………………え?」
そこにいたのは、金色の髪に空色の瞳のをした、小さな男の子。
「グッモーニン、ダイスケ」
「あ、えっと…え?」
にっこりと笑いかけてくる、その屈託のない笑顔が可愛い。あいつとは大違いだな。
あれ、そういやどこ行きやがったんだあいつ?勝手に俺から離れるとか、いい度胸してんじゃねえか。あとでシメてやる。
「ダイスケ、おはようのキス」
「は?」
唇に柔らかいものが触れたと思ったら、すぐに熱いものがそこを割って入ってきた。耳の裏に手のひらを差し入れて後ろ髪を撫でながら、舌先を軽く噛まれる。
ぢゅ、と音を立ててそこを吸われると、一気に中心に熱が集まるのがわかる。
あ、やばい、気持ちい。
こいつにキスされると、なんだか体が溶けちゃいそうになる。
って、え、嘘だろ?
「んっ、はぁ…ジャス、ティン…?」
「はは、やっと起きたな」
えっ、えっ、待ってこれ何どういうことだーーーー⁉︎
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