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【番外編】可愛いフリしたって騙されるか

「えーっと、あの、ジャスティン…だよ、な?」 「Yes!」 膝の上に乗ってぎゅうぎゅうと抱きついてくるこの男の子。背格好は違うけど、この話し方、髪の硬さ、瞳の色、しぐさ…間違いない、よな。 とりあえず落ち着け俺。 あ、やっぱりこの髪の触り心地、ジャスティンのだ。指の隙間からさらさら落ちていく感じ。俺がこうやってこいつの髪を撫でてると、決まって額を肩に押し付けてもっともっとってねだってくるんだ。 「…ぷっ、ちっこいのな」 膝の上に乗ってるにもかかわらず、俺の肩に届かない。あ、可愛いかも。鎖骨にぐりぐりと額を押し付けてくる。 ついついジャスティンだって忘れて、ぎゅっと抱きしめてしまった。 「やっべ、可愛い!」 「……まあ、これはこれでラッキーかもな」 だから、油断してた。 不意にシャツの裾をたくし上げられて、肌に吸い付いてくる。 「んあっ!な、にして…んっ…」 「んー?せっかく会えたし、ダイスケを堪能しようと思って」 「やっ、あ…ん、やめ…」 徐々に上に移動してきて、胸元の飾りにざらりとした感触が伝わってくる。 うわ、やばい、そんなとこ触られたらやばいから! 「は、ぁっん…やだ…ジャスティン、や…ッめろっつってんだろぉがあっ!!」 「ふぐっ⁉︎」 頭頂部に頭突き。ビジュアル的にはなんか罪悪感があるけど、忘れるとこだった。 こんな可愛いフリしてるけど、こいつはジャスティンだって。

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