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【番外編】中身はやっぱりお前だ……

「久々に会えたんだし、少しくらい…」 「ふざけんな。それに、俺が会いたかったのは…」 ぷう、とほっぺたを膨らませて俺の膝の上に乗ってこっちを見上げてくる。その姿は洋画に出て来る子役みたいで、ほんとに可愛いとは思う。 けど、俺が会いたかったのは、この小さなこいつじゃないんだ。 「…ダイスケ、泣かないで?」 「っ、泣いてなんか…」 そっと頭を抱かれて、背中をぽんぽんとあやすように優しく叩かれる。 小さな手のひらが、頬を伝う涙を拭うと、絶え間無く零れ続けるそれを吸い取って、唇に触れた。 ああ、中身はやっぱりお前なんだな…

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