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【番外編】おててつないで
「…ほんとに、お前なんだな?」
「ああ、何故かは分からないが、起きたらこうだった」
あり得ない状況だけど、現実にそのあり得ない状況になってる以上、それは受け入れなきゃいけないんだろうな。小さな手のひらがぎゅっと俺の手を握ってくる。
そうだよな、今一番不安なのはこいつだ。
「俺が絶対、元に戻してやるから」
「ダイスケ…」
安心させるように笑ってそう告げると、こいつも笑ってくれた。
あ、そういえば…
ベッドから降りてクローゼットを開け、一つの箱を出してまたベッドに戻る。俺の服のサイズが変わる度に、母さんが一着ずつ残してくれてたんだ。
もう着ることの無い服なんか残してどうするんだとも思ってたけど、まさかこんなことになると思ってなかったし、ほんとに偶然とはいえラッキーなのかも。
「これ、着れそうだな」
箱の中から長袖シャツとズボン、パーカーとジャンパーを取り出してジャスティンに渡す。それをじっと見つめるのが、不謹慎だけど可愛いとか思ってしまった。
「とりあえず着替えてさ、気分転換に公園でも行こうぜ」
「ああ、サンクス」
…………
体が小さいのはわかってた。そのつもりだった。
「……かっわいいーっ!」
着替えて準備できたちっちゃいジャスティンの可愛さといったら、もう予想以上で。ベッドから降りるのに後ろ向きで伝い降りてくるのが、なんかもうやばいくらい可愛かった。
きっと年の離れた弟とかいたらこんな感じなんだろうな。
そう思ったら、自然と手が伸びていた。
「ほら、行くぞ」
「………ああ!」
繋いだ手は小さいけれど、暖かさは間違いなくずっと焦がれたものだった。
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