14 / 101
【番外編】いつもとは違う守るべき存在
外に出て並んで歩く。ちっちゃいジャスティンと手を繋ぐため、どうしても少し屈んだ姿勢になる。
一生懸命に短い足で歩いて、俺の隣に並ぼうとしてるのがわかった。
「なんか、俺がお前に合わせるって新鮮だよな」
「人生最大の屈辱だ」
「ははっ、ざまあみろ」
ゆっくりゆっくり進む。公園、こんな遠かったっけ?
歩道のない道路を並んで歩く。ふと後ろから車が来るのがわかった。
「ほら、危ないからこっち来い」
「えっ、ああ…」
きゅっと手を引いてこちらに寄せると、よろよろしながら距離を詰める。
と、今度は前から自転車。
「あぶね…ほら、」
「…?」
両手をジャスティンの前に差し出すと、きょとんとした顔で見上げてきた。
あ、これちょっといいかも。可愛い。あ、いや、サイズが小さいから余計にそう思うだけだ、うん、きっとそう。
「ちっ、ほら!…ああもう、」
「なっ、ダイスケ⁉︎」
脇の下に手を突っ込んで抱き上げると、そのすぐ横を自転車が風を切って通って行った。
危ねえな…ちゃんと俺が守ってやんなきゃ。
抱き上げた小さな体は、俺の腕にすっぽり収まる。なんか、可愛い。
こいつはいつもこんな事思ってんのかな?
ともだちにシェアしよう!