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第1話
「うーんこのキャラ落としたいなぁ……。っげ攻略不可のキャラ!? まじかよ。超俺好みだったのに……。でも声だけ聞ければいい。やろう!」
PCでエロゲをやってる俺、響(ひびき)小太郎(こたろう)は十八禁マークの描かれた女性向けのゲームをしているのだ。
「ほー声もやっぱりサンプルで聴いた通りのいい声だなぁ。囁かれてみたいなぁ……」
綺麗な絵で描かれた長髪眼鏡の養護教諭役をしている楠(くすのき)南雲(なぐも)というキャラに恋をしていた。二次元に恋して何が悪い。しかも男キャラだけど。
綺麗だから買ってみただけ。いつもは普通の男性向けエロゲを買うんだけど。よりにもよって絵が好きな原画家さんで、色彩のタッチやらがモロ好み。
そんな理由で始めたゲーム。
『セーブするんですか? ちゃんと戻ってきてくださいね?』
「うぉ! なんかセーブするのに声でるのか。いいなこれ」
乙女ゲーって甘いんだよなぁ。言葉一つ一つがキザっていうか。
(あれ? 好感度が表示されてる? どうしてだ?)
『一度限りの夜を共にすごそう。ハロウィンでなにする?』
という、キャッチコピーで売られていた、ゲーム。
ハロウィンだから勿論いたずらだよなぁなんて考えていたら、何故か俺は意識を失っていた。
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