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八
「お、猫だ」
ぽかぽかと暖かな昼下がり。
白那 神社に白黒の斑 猫が訪れた。
「燐 、僕以外の猫など相手にしないでください。しかも、そんな白だか黒だかはっきりしない柄はだめです」
「いいじゃないか柄くらい。一体どんな偏見だ。ほら、こいこい」
燐が手を差し出すと、人懐こそうな斑猫はふんふんと嗅ぎながら近付こうとした。
すると・・・。
「フ───ッ!!」
突然現れた大きな黒猫に威嚇され、飛び上がって逃げて行く斑猫。
憐 れ、もう二度と此処 を訪れる事はないだろう。
「こら煌 、弱い者虐めするな」
「ぐるるるるる・・・」
大きな黒猫は不機嫌に喉を鳴らしながら、階段の頂上に座る燐の膝に顎を乗せた。
煌が撫でて欲しい時にする仕草だ。
「・・・虐めっ子は撫でてやらんぞ」
「・・・ぅんー・・・」
「・・・・・・猫のふりをしても無駄だからな」
「ぅなー・・・ぉ・・・」
「・・・・・・・・・まったく、仕方のない奴だな」
結局、撫で甲斐のある大きな猫を隅から隅まで撫で回してしまう神さま。
煌は終始、ごろごろと満足そうに喉を鳴らしていた。
「なあ煌、お前は何でそんなに私が・・・その、す、好き、なんだ?」
「なぉおん、なぉ、うなぁーん、なん」
「・・・流石の私も猫語はわからんが、まあいい、聞いたところで恥ずかしいだけだしな」
煌を撫で転がしながら、ふと、もふもふの腹に顔を埋めたいという衝動に駆られる神さま。
我慢する気も必要もないので、遠慮なく猫の腹に顔を埋めた。
「ぅなあーっ」
「んーっ、いーじゃないか減るもんじゃなしに」
抗議の声を上げる黒猫を押さえつけ、もふ腹を堪能する。
ああ、このまま寝てしまいたい・・・と思う燐だったが、残念ながら人化した煌に押し倒されてしまった。
「ぉい、なにを・・・」
「お返しです」
「なっ、着物を脱がすなっ、や・・・っ」
燐の平らな胸を揉み、乳首を舐めて吸う煌。
お返しだと言うが、腹に顔を埋めただけだったのに対し、同等とは言い難い。
「ぁ、んん・・・っ、やめろ・・・っ」
「燐、ここ弄られるの好きですよね。前より敏感になってる。少し大きくなったかも」
「もぉっ、やめろぉっ!・・・ぃ、やぁ・・・っ」
抵抗虚しく、後孔へ指の侵入を許してしまう神さま。
「こっちも、好きですよね」
「ぅ・・・あっ、そこ、ゃめ・・・ひぅぅっ」
何故、弱いと判っていてソコを弄るのか。
「シュ───ッ!」
人形 をやめ、大きな白蛇の姿になる燐。
まさか、煌にこの姿を曝 す事になるとは。
この姿に畏 れ戦 いているであろうと煌を見ると、一瞬呆けてから、何を思ったか燐の鱗に舌を這わせた。
「───ッ!?」
ざりり、と鱗を逆撫でるように舐める煌。
何故だ、もっと畏れろ頼むから・・・。
「あれ、もう人形 に戻ってしまうんですか?やっと見せて貰えた美しい姿なのに」
「鱗を剥がされそうで恐い・・・」
神さまが、この猫に勝てる日は来るのだろうか・・・。
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