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第36話 止められない
笑いながら裕翔は、ちゅっと唇を鳴らす。
下着越しの行為だというのに、松崎の膨れた欲は面白いようにビクリと反応した。
「……かわいい。ちゅっ」
「………いや、可愛かねぇだろ」
「えー? 可愛いですよ〜。舐めちゃおうかなぁ」
誂われているだけに違いないのに、勝手に応えてしまう息子が憎い……。
「健吾さん、俺の顔好きだから。この唇で咥えられたら、一撃でしょ?」
激しいキスの所為でいつもよりも赤く染まった唇に指先で触れて、その指で松崎の怒張をまあるくなぞる。
色っぽいし可愛い、ここで乗らなきゃ男じゃない、とは思うが……。
「………あー……、お前さ、……もしかして、舐めてみてぇの…?」
裕翔の仕草ひとつひとつが、欲しくて堪らない…ではなく、興味本位の行動にしか見えない。
「え…、だって……、こんなスゴイの、初めて見た……」
ほらな。
「もいっかい見る」
「コラコラ、勝手に脱がすな」
「わあ!」
「なんなのお前、ホントなんなの……」
ちゅっ
「ほら、直でキスできちゃった」
ムクムクムク
「ふふっ。きもちいーんだ、俺のクチビル」
ちゅっ
「なんでこんな色なんだろ。俺のと全然ちがーう。それに、パンパンで弾けちゃいそうだよ? け・ん・ご・さん♡」
ぺろっ
「ふふ〜っ、ボディソープの香り〜」
「………………………」
プッツーン────
「裕翔ク〜ン、そろそろお遊びは終わらせてもらっていいかなぁ?」
「えっ……」
「その可愛いお口いっぱい、ちんぽ頬張ってもらおうか? オラッ」
「んむっッ──」
半開きの口に、松崎は無理矢理極太の肉棒を突っ込んだ。
驚きに見開かれた瞳に、苦しいのか涙が浮かぶ。
けれど裕翔は、口を放したり噛んだりなどせず、モノを大人しく咥えこんだまま、潤んだ瞳で松崎を見上げた。
「……いいな。お前の口ン中」
中からいっぱいいっぱいに押されて膨らんだほっぺたは、頬袋に沢山木の実を詰め込んだリスみたいで可愛くて。なのに咥えているものは、自分の股から生えた秘めたる部分。決して綺麗とは言えない、凶暴な雄。
そのアンバランスさに、松崎はつい笑いを零す。
不思議そうに目を瞬いた裕翔は、口を離さず首を傾げて、瞳で『なぁに?』と訊ねた。
………ああ…、マズイな。止められそうにない───
ブワッと胸に溢れ出たのは、愛しさだろうか……。
頬を優しく撫でれば、可愛い子リスは嬉しそうに眦を下げる。
「お前のやり方で、俺のこと気持ちよくさせてみ?」
喉をこしょこしょと擽ってやると、気持ち良さそうに小さく啼いてから、口を動かし始めた。
♢
きゅっと窄めた唇でジュブジュブと音を立てながらモノを扱く。
時折喉に先端が刺さって噎せ返るけれど、裕翔はソレを口から出そうとはしなかった。
おっきいよぉ………
くるしい……
口いっぱい頬張っても、ぜんぶ包み切れない。
それに、太過ぎてどんどん顎が痛くなってくる。
けど、カラダ熱くて、ムズムズして……
パックンしてるだけなのに、ちょっときもちい……
「ほら、無理すんな。んな美味ぇもんでもなかっただろ?」
優しい掌が顔を撫でる。
ちゅぽん…とその巨根から唇を離すと、裕翔は首を横に振ってふわりと微笑った。
「ううん。……おいしい」
「あー………、そっか…」
松崎は、困った顔をして笑う。
「んじゃあ、先っぽだけ、しゃぶって舐められるか?」
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