腰を持たれ、上半身を起こされる。 仰向けに寝転ぶ松崎の腰の上に座らされた。 自分ばっかりずっと寝転んでいてずるい、と裕翔は少しばかり拗ねて思う。 けれどそう思った瞬間、松崎は左手だけを後ろに突き、背中を少しだけ浮かせた。 「危ないからちゃんと掴まってろよ」 「危ないって…」 「ちょっくら動くからな」 「え………？ ぁん…っ！」 唐突に乳首をキュッと摘まれて、裕翔の口からいやらしい声が上がる。 「イイ反応」 松崎がニヤリと笑った瞬間、腰の下から大きく激しく突き上げられた。 「やあぁっっ…!?」 動くと言われた意味が、一瞬で理解出来た。 松崎の腰が跳ねる度に、松崎の雄が裕翔の隠れた蕾をグリッと刺激する。 中を暴かれたわけじゃない、先刻指で少し弄られただけの解れてもいない場所なのに、初めての感覚に翻弄され、その内に気持ちよささえ覚えはじめ、裕翔は溢れる嬌声を抑えることが出来ない。 酔って覚えていなかったとは言え、あの日 はじめて松崎の口技により開発された裕翔の乳首は、あれ以来自慰の度に弄ってしまっている所為で、すっかり性感帯へと成り果てている。 自分のものよりも太くて硬い、武骨な指が、ちいさな粒を摘んでピンクの乳輪ごと強く引っ張る。 赤く膨れたソコをグリッと抓られると、ズクン──と腰が熱を上げた。 それと同時に後孔に極太の先端がグイと押し付けられる。 「あんっ、だめ…っ、ダメッ…、挿入(はい)っちゃ…やっ、ぁあん…っ」 「挿入ん、ねぇ、よッ。パンツ、穿いたまんま、だろうがッ、俺もお前も、…ッ」 「ゃんっ、なんかヘンんっ、あっ、あッ、なんか…、んッ、キちゃぅぅ…っ」 与えられる快感が強烈過ぎて、目を開けていることも叶わない。目蓋の奥が白んでいく。 松崎の筋肉で隆起する肌に、裕翔の涙がボタボタと溢れ落ちた。 「イイコだから、イッちまえ、よッ」 痛いくらいに摘まれて乳首が悲鳴をあげている。 陰嚢と肛孔を熱くて硬い塊でガツガツ突き上げられて、裕翔のカラダが限界に近付く。 それに、自分の身体は男で間違いない筈なのに。そこには何もない筈なのに。会陰を擦られて感じてしまう。もっと突いてと求めてしまう。 ───健吾さんに、女の子にされちゃう…… ボロボロ涙を溢しながら背を撓らせて、けれど決定的な快感が訪れない。 「ヤダッ、やだぁっ…、前…もっ、触ってぇ…っ」 混乱した頭で欲望だけを口にした。 「裕翔、大丈夫だから、ほら、きもちいーだろ？」 ゴツくて大きな手が前を握り込み、先端から出た蜜を纏い水音を立てながら扱く。小さな穴からは更に透明の汁が溢れて、その手をビショビショに濡らした。 「やっ…、あッ、あぁっ、も…っ」 目蓋の裏がチカチカと瞬き、爪先がキュッと丸まる。 「………裕翔、……xxx」 「っぁむ───んンンッッ…!!」 松崎の身が起こされて、唇が重なった瞬間───裕翔の先から白濁が迸った。 イく直前に、何か言われた気がしたけれど……… 今度こそ、体力も気力も、精力さえも残ってはいない。 声を出すのも億劫だから……。唇は僅かに動くけれど、それは荒々しい呼吸を繰り返すためで。 訊ねることが出来ない代わりに、裕翔はぼんやりと考える。 よく聞こえなかったその言葉が、告白じみたものだったら良いのにな……、と。 力の入らない身体を、松崎にクッタリと寄り掛けた。 抱き留めてくれる逞しい身体は、心拍数が上がっていて鼓動が煩いし、汗でしっとりしてるけれど、なんだか安心する。 それに、よくわからないけれど、胸がほわんと温かい。 なんでだろう。変なの。 汗かいてる中年男なんて、絶対に触りたくないものの代表格なのに。 裕翔は不思議に思いながらも、汗の流れ落ちる首筋に顔を擦り付ける。 にしても……… 「えへへ…、きもちよかったぁ…ね？」 自分ひとりでスル時には到底感じることの出来ない快感。 癖になっちゃいそう、なんて呑気に考えて、裕翔はクスクス笑みを零した。 いくらか息も整って、機嫌良く首にチュッチュと吸いついていると…… 「はぁぁーー………」 これみよがしな大きな溜め息。 「ん？」 「ん、じゃねぇの。気持ちよかったねぇ。そりゃ良かった」 「うん。……よかった…」 「お前はな。でも、おっさんはまだギンギンなんだよ、分かります？ お坊ちゃま」 「う……わぁっ！」 トランクスのゴムが引っ張られて、血管ビキビキ、赤黒く膨れた怒張が空気に晒される。 「やっ……ばい……、これはヤッバイ………」 自分でウエスト部分を広げたクセに、裕翔は目をまあるく見開くと、凄いものを見てしまったとばかりに、口に手をあてクスリと笑った。